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あの日の自分に、もう一度会う

私は、夜寝る前にスマホやパソコンを見ることで、光が目に残り、熟睡できないことがよくありました。これは良くないと思い、代わりに本を読むことにしました。私は今年で60歳になります。中学2年生の頃から46年間、入院中を除いて毎日日記を書き続けてきました。

ある時ふと、こう思いました。

「他人が書いた本より、自分が書いた日記のほうが面白いのではないか」と。ページをめくると、そこには確かに“過去の自分”が生きていました。

中学生の自分がどんな思いで勉強していたのか。高校へ進む時、どんな不安や期待を抱いていたのか。社会人になる時、何を考えていたのか――。

その一つひとつが、まるで昨日のことのようによみがえってきました。

10代の自分は、今振り返ればまだ幼く、将来のことなど深く考えてはいませんでした。18歳の頃には酒やタバコも覚え、ただ目の前の時間を生きていました。

20代は、人生で最も輝いていた時期です。もし全財産で買えるのなら、迷わずその時間を選ぶでしょう。病気を経験した今だからこそ、その尊さが胸にしみます。何でも吸収できる、かけがえのない時間でした。

30代になると結婚し、子どもが生まれ、ようやく責任というものを知りました。頭も体もよく動き、毎日が充実していたように思います。

40代ではさらに責任が増し、自営業として飛び込み営業にも挑戦しました。決して楽ではありませんでしたが、その努力は確かな成果となり、仕事面では最も充実した時期だったと感じています。

しかし50代に入ると、それまでの無理が少しずつ体に現れ始めました。 そして54歳の時、脳梗塞を発症し、その14日後には脳出血――人生が一変しました。発病後、すぐにでも日記を書こうと思いました。けれど、パソコンのキーボードの配列すら分からなくなっていたのです。頭では分かっているのに、指が動かない。さらに左手一本で打たなければならず、思うようにいかない日々が続きました。今でも時折キーが分からなくなることがあります。それでも、無理をせず、少しずつ書き続けています。日記は、ただの記録ではありません。それは、自分が確かに生きてきた証そのものです。自分が何歳まで生きられるかは分かりません。けれど、70歳、80歳になった時、振り返ったページの中に「今の自分」が残っている――そう思うと、不思議と前を向く力が湧いてきます。これからも私は、自分自身の人生を刻むために、日記を書き続けていきたいと思います。

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